【嗅覚障害】「鼻が詰まって味がしない」の本当の意味

ここ最近は鼻の調子が良く、匂いがわかる日が続いています。
匂いがわかるようになると嬉しくて、いろいろな匂いを嗅いでしまいます。犬になった気分です。

風邪をひいたときなど、「鼻が詰まって味がしない」という表現をよく目にします。
私は長年、その感覚がよくわかりませんでした。
どんなに鼻が詰まっていても味はすると思っていました。

私は2022年に副鼻腔炎と鼻中隔湾曲症の手術を受け、数日間入院しました。同室の隣のベッドの女性も鼻の手術を受けており、術後に看護師さんに「味がしません」と話しているのが聞こえました。
私は一足先に手術を終え、すでに食事をしていたので、「味がしない…?」と、不思議に感じました。

手術では、副鼻腔内に溶けるガーゼをみっちり詰め込むため、鼻呼吸は1ミリもできません。
術後から次の外来までの20日間、ガーゼはほとんど溶けず、鼻には微塵も空気が通らず、ずっと口呼吸で過ごしてつらかった思い出があります。

もし「鼻が詰まって味がしない」というのが本当なら、鼻呼吸率0%のこの状態では同じ現象が起きるはずです。しかし、実際には味は感じられました。甘い、辛い、しょっぱい、すっぱい、苦いという基本的な味覚は常にわかります。皆が言う「味がしない」とは一体どういう意味なのだろう、と不思議に思いました。

あるとき、ふと気付きました。
「鼻が詰まって味がしない」とは、舌で感じる味覚のことではなく、香りによる風味が失われた状態を指している…ということに。

当時の職場の人にも訊いてみたところ、「完全な無味ではなく、味がわかりにくい状態」とのことでした。
鼻づまりによって風味が大きく損なわれることで「味がしない」と感じるのだそうです。
味がしない=無味だと思っていましたが、実際には風味がなくなることで味全体の存在感が弱くなる、ということのようでした。ずっと完全な無味の状態を指していると思っていたので、個人的には衝撃でした。

私は昔から味の濃いものや辛いもの、刺激的な薬味やパクチーが好きでした。これは単に好みの問題だけではなく、普段から食べ物の繊細な風味を感じにくいことも関係しているのかもしれないな…と思いました。
(もちろん、単純に根っからのこってり・ガッツリ好きという可能性もありますが。)

嗅覚検査用カード

ちなみに、過去に受けた嗅覚検査では、嗅覚障害のレベルは「高度」に該当すると診断されました。
検査では、写真のようなカードを渡されます。カードをめくると匂いがついており、それを順番に嗅いで感じ方をチェックしていきます。

このカードのほかに、アリナミン注射(ニンニク注射)を打って匂いの反応を見る検査や、小瓶に入った匂いを嗅ぐ検査も行いました。小瓶の中に1つだけ、使い古した雑巾を濡らしたままビニール袋に入れて真夏の密室に数日放置したかのような強烈な匂いのするものがあり、思わず「くさ!」と口から出てしまったことを覚えています。

嗅覚は、ステロイドを飲んでしばらくすると、ある日突然スイッチが入ったみたいに正常に戻ります。調子が良い時はドラッグストアの近くを通るだけで香料の匂いを強烈に感じますが、しばらく経つとまた無臭に戻り、猫のうんちの匂いすらわからない。そんな極端な状態を何度も繰り返しています。

今は鼻の調子がよく落ち着いていますが、風邪で副鼻腔炎が悪化して、抗生物質・ステロイド点鼻薬・吸入ステロイド(喘息用)といろいろ重なっているので、どれが効いているのか正直よくわかりません。

もし生物学的製剤(デュピクセント)で喘息が安定して、嗅覚が戻る可能性があるなら、試す価値は十分あると感じています。長年の振れ幅のある生活から抜けだしたい気持ちも大きいです。

先日、役所で指定難病医療給付制度の申請に必要な書類をもらってきたので、大学病院へ記入を依頼しに行こうと思います。

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