ミニマルな暮らしを目指す中で、もっとも場所を取る「寝具」をどうにかできないかと考え、これまでさまざまなタイプを試してきました。
使ってみて良かったものもあれば、失敗だったと感じるものもあります。
今回は、そんな試行錯誤の記録として、これまでの寝具遍歴をまとめてみました。
少しでもどなたかの参考になれば幸いです。
現在の寝具:一周回って結局ベッド生活

はじめに現在の寝具ですが、いろいろ試した結果、ベッドを使っています。
スペースは取るけど、なんだかんだ一番楽で、ズボラ向きの寝具はベッドであるという結論に至りました。
異論は認めます。
これまでの寝具遍歴
次に、これまでに使ってきた寝具を順に紹介します。
床にヨガマット1枚で寝るという極端な方法以外は、ほとんどの寝具を試したと思います。
シングルサイズの普通のベッド

一人暮らしを始める際、実家から持ってきたベッドです。
ワイヤーフレームにシングルサイズのマットレスを置いた、ごく普通のベッドでした。
うねうねしたワイヤー部分はホコリがたまりやすく掃除が少し面倒でしたが、見た目がかわいく、気に入っていました。
- 選んだ理由:デザインが好き
- やめた理由:次の引っ越し先が狭かった
ワンルームへ引っ越して、はじめての寝袋

最初に住んだ部屋よりも少し狭いワンルームへの引っ越しをきっかけに、ベッドを手放して念願(?)の寝袋を買いました。ロゴスのコットンシュラフ(ピンストライプ)というものです。
床に寝袋を敷いて寝るスタイルは「THE ミニマリスト」といった感じで、テンションが上がったのを覚えています。
寝袋といえばシャカシャカした生地のものが主流ですが、この寝袋の表素材はコットンフランネルで、少し起毛したネルシャツのような肌触りです。温かく優しい肌触りと、寝袋っぽくないデザインが気に入っていました。耐久性の面ではシャカシャカ系に劣りますが、デザイン重視で満足していました。
残念ながら現在は販売されていないようです。
寝袋を床に直接敷いていたため、最初は硬く感じました。
しかし、人間とは慣れるもので、途中から気にならなくなりました。
- 選んだ理由:寝袋っぽくないデザインと肌触り
- やめた理由:後述のコット使用によるカビ
湿気対策にコットを導入し、腰を痛める
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一旦一人暮らしをやめて実家に戻ったタイミングで、キャンプ用のコットを購入しました。
コットとはアウトドアで使用する折りたたみ式の簡易ベッドで、サイズは寝袋がちょうど収まるくらいです。
購入理由は、実家の北側の部屋が非常に湿気が高く、床に直接寝袋を敷くのは抵抗があったためです。
しかし、このコットでしっかり腰を痛めてしまいました。
コットは寝転ぶと中心が少したわむ構造のため、腰に負担がかかっていたのだと思います。
さらに、湿気対策として購入したにもかかわらず通気性が悪く、寝袋にカビが生えてしまいました。
お気に入りの寝袋を処分することになり、とても悲しかったです。
コットと寝袋を毎日室内で使用するのは、私の寝床遍歴の中でも明らかな失敗でした。
これはあくまでキャンプ用で、一時的に使うことを想定した製品であり、日常的に使うものではないと痛感しました。メーカーさんも毎日室内で使用することは想定していないはずなので、商品が悪いわけではありません。
- 選んだ理由:床に直接寝袋を敷きたくなかった
- やめた理由:湿気によるカビと腰痛
湿気対策と寝心地を考えて、折りたたみすのこベッド+布団

コット+寝袋の腰痛に懲りて、次に導入したのが折りたたみのすのこベッドです。
北側の部屋は湿度が高かったため、寝具は通気性が良いことが絶対条件でした。そのため、折りたたみ式のすのこベッドを選びました。
布団を敷いたまま折りたためるものなので、マットレスではなく敷布団を敷いて使っていました。
硬くしっかりしたすのこは腰への負担も少なく、コット+寝袋とは雲泥の差の寝心地で、寝具選びの大切さを改めて実感しました。
脚にコロコロのローラーがついていて簡単に転がして移動できるので掃除も楽で、使い勝手は非常に良かったです。構造上仕方ないのですが、色やデザインの選択肢が少ないのはやや難点に感じました。
- 選んだ理由:通気性が良く簡単に移動できる
- やめた理由:新居の畳を傷めそう
引っ越しを機に、薄手のマットレスへ

再び一人暮らしをすることになり、購入したのが高反発の薄手のマットレスです。
引っ越し先の寝室が畳の和室だったため、ベッドだと畳を傷めるかもしれないと思い、こちらに移行しました。
厚さは3㎝と薄めですが、高反発なので寝心地は悪くありませんでした。
折り目がついていないため、たたむときにうまく収まらないのが唯一の難点です。
- 選んだ理由:薄手でかさばらない
- やめた理由:たたみにくい
たたみやすい三つ折りマットレスに変更

次に購入したのが高反発の三つ折りマットレスです。
前回使ったマットレスと違って、折り目がついているタイプになります。
10cmの厚みがあり寝心地は快適で、マットレス自体も軽く簡単に移動できます。
猫も気に入ってよく寝転がっていました。
しかし問題はズボラな私です。
毎日マットレスをたたむという面倒な習慣は続けられず、常に床に敷きっぱなしの万年床状態でした。上に置いた毛布類をたたんでも、マットレスが敷きっぱなしだと見た目が悪く、どうしても散らかって見えてしまいます。
- 選んだ理由:しっかりした厚みとシンプルなデザイン
- やめた理由:万年床になった
一目ぼれしたコンパクトなマットレスと寝袋セット

次に購入したのがブレインスリープのオールインワンです。
折りたたみマットレスと寝袋がセットになっていて、「何これいいじゃん」と即決で購入しました。
これなら毎日片づけられるのではと、つい夢を見てしまったのです。

マットレスを開くと枕がくっついていますが、私には高すぎて合いませんでした。
また、折りたたんだ際に留めるマジックテープにはホコリが付きやすく、タオルケットが引っ掛かる点も気になりました。

シングルサイズの三つ折りマットレスと比べると非常にコンパクトでデザインも気に入っていましたが、結局まめにたたむことはできず、ほとんど敷きっぱなしの生活に。
寝心地の良さなら前の三つ折りマットレスの方が優れており、たたまないならこの寝具を使う必要はないと思いました。
発売当時、このセットを車中泊用に購入する人もいたようです。
枕の高さや留め具の使い勝手を考えると、毎日使うよりも、時々アウトドアで使うくらいがちょうど良い寝具だと感じました。
- 選んだ理由:シンプルでコンパクトなデザイン
- やめた理由:枕が高く、留め具も不便で、結局敷きっぱなしに
脚付きマットレスで再びベッド生活
「たたまずに敷きっぱなしならマットレスよりベッドの方が良い」と思い直し、脚付きマットレスを購入して再びベッド生活に戻しました。
以前は畳を傷めるのではと床にマットレスを敷いていましたが、クッションフロアを全体に敷いて洋室風に加工し、さらにベッドの脚には硬い木製コースターを挟んで畳に跡が付きにくくしました。引っ越し時も特に凹みはなかったので、しっかりガードできていたようです。
購入したのは、通常のシングルより小さいセミシングルショートサイズです。
- 一般的なシングルサイズ:幅97cm、長さ195cm
- セミシングルショートサイズ:幅80㎝、長さ180㎝
セミシングルショートサイズのベッドだと、6畳の小さな部屋でも圧迫感がありません。
幅・長さともにシングルより15cm短いだけですが、狭い部屋の中では大きな差に感じます。
私は身長152cmなので特に狭さは感じませんでした。
(猫がなぜか真ん中で寝たがるので、そのせいで狭くなることはあります。)
このベッド最大の難点は、ぴったり合うサイズのカバーがほとんどないことです。
シングルサイズなら選び放題ですが、セミシングルショート専用カバーは種類が少なく、好みのデザインはほぼありません。
手作りも考えましたが、大物を縫うのは面倒で断念。結局、フラットシーツをただかけるだけで使用していました。床に垂れたシーツにホコリが付いたり、掃除機がけの邪魔になったりするので、この方法はあまり快適ではありませんでした。
- 選んだ理由:シングルよりもコンパクトで圧迫感がない
- やめた理由:カバーの選択肢がほぼない
最終形態:すのこベッド+マットレス

こちらが現在使っているセミシングルショートサイズのすのこベッドです。
ネルコンシェルジュのバノンというシリーズのベッドを購入しました。
セミシングルショートサイズの脚付きマットレスは狭い部屋にちょうどよく気に入っていましたが、シーツの種類がほとんどなく、選択肢が少ないのが難点でした。脚付きマットレスは、脚があるためフラットシーツを巻き込むことができません。
それを解決したのが、このすのこベッドです。
すのこの上にマットレスを置くだけのシンプルな構造なので、マットレスとベッドの隙間にフラットシーツを巻き込んでスッキリ収められます。
購入時にマットレスの買い替えも検討しましたが、脚を固定する板を外すとただのマットレスと変わらなかったため、そのまま使用しています。ややへたりを感じるので、いずれ買い替える予定です。
結局やっぱりベッドが良いと思う理由
- 出しっぱなしでも見た目が悪くない
- 通気性が良くカビにくい
- 床からのハウスダストを防げる
私はズボラなので、毎日布団を敷いたりたたんだりはできません。たまにしかたたまないなら、ベッドの方が清潔で見た目もスッキリします。現在は鼻炎と喘息もあるため、床から少し離れて寝ることはハウスダスト対策の観点からも良いと思っています。
布団はまめにたたんだり干したりできれば清潔で、部屋も広く使えます。
しかし、これまでの経験から自分にはできないとわかっているため、ベッドで眠る方が合っています。
約10年の寝具遍歴から学んだこと
さまざまな寝具を試した結果、辿り着いたのはベッド+マットレスという、いたって普通の組み合わせでした。
一人暮らしを始めてから約10年間の寝具遍歴ですが、10年という期間の割にはいろいろなものを試した気がします。最初からこのベッドにしていたら無駄なお金や時間を使わずに済んだかもしれません。しかし、数々の失敗を経て、自分にとって重要なポイントが何かを明確に理解できたので、経験としては無駄ではなかったとも感じています。
部屋が極端に狭い場合や、荷物をできるだけ減らして身軽に暮らしたい場合は、寝袋などのコンパクトな寝具も選択肢に入ると思います。しかし、特にそういった事情がなければ、普通の寝具を選ぶのが安心ではないかと思います。
私の場合、寝具を変えたことで腰痛はすぐに改善しましたが、もし寝具の選択ミスで慢性的な腰痛になっていたら大変です。ものを減らしても健康を損なっては意味がありません。
毎日の睡眠はとても大事です。
安眠を確保しつつ、自分にとって心地よく、ちょうど良い寝具選びの参考になれば幸いです。



